脳の正体はホログラム
記憶はいったいどこに、どのように蓄積されているのか?
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神経心理学者カール・ラシュリー氏による、ネズミの脳の実験
ラシュリーは、ネズミを訓練し、迷路走行などのさまざまな行動を学習させ、つぎに、脳の一部を外科手術で切除し、再びテストをするという実験を行なったのだ。目的は、ネズミの脳の中で迷路を走る能力が記憶されている部分を文字どおり切り取ってしまうことであった。だが驚いたことに、脳のどの部分を切り取ろうが、この記憶を消し去ることはできなかった。
(研究作業の成果を直接目にした)神経心理学者カール・プリブラムには、答えはたったひとつしかないように思われた。記憶は、脳の特定の場所に位置しているのではなく、なんらかのかたちで、脳全体に広がって、または分散して蓄積されているのである。
エール大学でも、プリブラムは記憶が脳全体に分散されているというこの見解を考察しつづけたが、考えれば考えるほどその正しさに確信を強めていった。結局のところ、医学的な理由で脳の一部を切除したとしても、患者が特定の記憶を喪失することはなかったのだ。
※出典:『投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』(著:マイケル・タルボット)
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ホログラムという突破口
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1960年代半ば、『サイエンティフィック・アメリカン』誌に掲載された、史上初のホログラムについての記事を読んだとき、プリブラムはまるで雷にでも打たれたような気分になった。
ホログラムのユニークな点は映像の立体性だけではない。たとえば、りんごの画像が映っているホログラフィック・フィルムを半分に切り、そこにレーザー光線を当てると、なんとどちらの半分にもりんご全体の映像が残されているのである。
ふつうの写真と異なり、ホログラフィック・フィルムは、ほんの小さな一部分のすべてに全情報がそっくり含まれているのである。
プリブラムを興奮させたのは、まさにこの特徴だった。
ホログラフィック・フィルムのどの部分にも、映像全体をつくるのに必要な情報が含まれることが可能ならば、同じように、脳のどの部分にも記憶全体を呼び起こすのに必要な情報すべてが含まれることも可能なはずだ。
※出典:『投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』(著:マイケル・タルボット)
「ホログラフィックな脳」を実証した実験
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インディアナ大学の生物学者ポール・ピーチによる実験
実験対象としてサンショウウオを選んだ。それまでの研究で、脳をすべて除去してもサンショウウオが死なないことはわかっていた。脳がなくなると昏睡状態にはなるが、脳をもとへ戻してやると、ただちにその行動は完全に正常に戻るのだった。
もしサンショウウオの食行動が、脳のどの特定の場所にも属していないならば、頭の中で脳がどういうかたちで置かれていようと関係ないはずだ。
- 右脳と左脳を逆にしてみたが、意識を取り戻すやいなや、そのサンショウウオは正常な食行動を再開した。
- 脳の上下を逆さにしてみた。これもまた、正常に餌を食べた。
- 脳を切る、ひっくり返す、まぜこぜにする、一部を取り除く、必ず行動は正常に戻ってしまう。
このときの経験や、その研究の内容については、著作『シャッフルブレーン』に彼自身が詳しく書いている。
※出典:『投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』(著:マイケル・タルボット)
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