ふるふる哲学

学びの過程を記しています。ブログの各記事は、基本的に「総まとめ」を作成する上での下書きです。

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「存在しないと同時に全てが存在する」という悟り

投稿日:2022年5月13日 更新日:

マルクス・ガブリエルの言う「世界」とは、「あらゆる対象の性質を全て持っている」であり、
全ての対象を包摂しているのが「世界」である。

そして、世界が存在していてもそれは存在として表出しない = 神を認識することができないみたいなもの。

存在を存在させるための何かを規定すると、その構造は無限に広がり終着点を設定することができなくなる。
※フラクタル構造においては始まりと終わりがない

つまり、『世界』という全ての存在の入れ物のようなものは論理的に存在することができない。

世界が存在しないがゆえに、無限の意味の場が存在する。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=rM-HGDXNKEQ
※詳細はこちらの動画をご覧ください。

つまり、これは仏教における「空」であり、「空」とは存在しないと同時に全てが存在するということであり、
この世界の構造を悟ることが、真理の悟りにおいて非常に重要になってくるのだろう。

無色界の
第1天「空無辺処」において「空間が無限大である」と悟り、
第2天「識無辺処」において「識が無限大である」と悟り、
第3天「無所有処」において「何物も無い」と悟り、
最高の天である「非想非非想処」において「何物も無しと思惟する定を超えて極めて昧劣な想のみが存在する」と悟る。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E8%89%B2%E7%95%8C

仏教における色界と欲界がマルクス・ガブリエルの言う「意味の場」であるとすると、無色界はこの色界と欲界の全てを包摂する「世界そのもの」であると言える気がする。

無色界には、極めて微弱ではあるが、たしかに想は存在している。
ゆえに、その想から「意味の場」が生まれてくるのだろう。

ここからわかることは、「無」は不可能であり、常に「存在」が生起する場が「世界そのもの」であると言える。

※現代物理学においても、真空のゆらぎによって、何も無いはずの真空から電子と陽電子のペアが、突然出現し、完全な無(絶対無)というものは物理的に存在しないとされている。

別の言い方をすると、「無=無限」であり、我々が一般的に想像しているような何も無いという意味での無は不可能であり、無=無限であるがゆえに、無とは「全ての対象を包摂している」ということになる。
ゆえに、常に「存在」が生起する。

参考:https://www.youtube.com/watch?v=cGsS1f7b9oI

原初的な狩猟文化のシャーマニズムにおいても、無=無限に近い悟りの原型が存在していた。

>多くの部族の世界観では、死者は徐々に無個性な祖霊に帰一して、やがて、新しい霊魂として再生する
引用:https://morfos.blog.ss-blog.jp/2020-10-22

>個性を脱した魂というのは、未分化で様々な可能性を秘めている存在
引用:https://morfos.blog.ss-blog.jp/2020-11-09

「無個性」「様々な可能性を秘めている」
祖霊における、これらのキーワードに、無=無限 を見出すことができる。

そして、この「世界そのもの」を超越した境地こそが「涅槃」であり、如来のいる世界である。

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