ブラックホールとホログラム ~『隠れていた宇宙 』(著:ブライアン・グリーン )~
※以前の自身のブログ記事を転載
いや~~~、今回の章は非常に理解が難解であった。
おそらく、この章に書かれた内容の、3割も理解していないかもしれない・・・
まず、ブラックホールと、熱力学第二法則との関係について、
ブラックホールと、熱力学第二法則は、一見相容れない関係のように見え、昔のほとんどの研究者は「ブラックホールには温度が無い」「ブラックホールはエントロピーをかくまっていない」「ブラックホールはエントロピーの吸い込み口であり、ブラックホールのあるところ熱力学第二法則は破綻する」と考えていた。
それに対し、べケンスタインは「いやいや、エントロピーはブラックホールの中に消えるのではなく、ただ移るだけなのかもしれない」と主張した。
それから、「一般相対性理論が予言するブラックホール天体には、量子効果を考えるならば、熱的な放射がある」とするスティーヴン・ホーキングによるホーキング放射の提唱により、
「ブラックホールに温度がある、放射を出す、ということはエントロピーがあるということなのではないか?」という流れになり、熱力学第二法則の地位は安泰となった。
エントロピーとは、
系全体の巨視的な性質を変えずに、微視的な構成要素を並べ替える方法の数(無秩序の尺度)であり、
全体の巨視的性質と、系の詳細な微視的性質の間の、情報ギャップの尺度と考えられる。
表裏のコイン投げで、硬貨1000枚を投げた時のパターンは2の1000乗パターン
で、詳しい詳細は私の頭脳では理解できていないのだが・・・エントロピーで表すと2の1000乗ではなく、1000と定義するらしい。
これを2進数字のビットで表すと、1000ビット
つまり、硬貨1000枚に隠れた情報1000ビットあるということになる。
エントロピーの値と、隠れた情報の値が等しい
つまり、エントロピーは、配列1つが答える「はい、いいえ」の疑問文の数といえる。
エントロピーとは、系の隠れた情報量の尺度といえる。
後に、ホーキングは、ブラックホールのエントロピーと、その表面積を関連付ける詳細な量子力学的根拠を練りあげ、
ブラックホールの事象の地平面を考え、その事象の地平面を覆うのに必要な区画の数――平方プランク単位(一区画につき、10の-66乗平方センチ)で表したブラックホールの表面積――は、ブラックホールのエントロピーに等しいということを数学的に証明した。
彼の研究は、巨視的な特徴は同じでも微視的には異なる、様々なブラックホールがたくさんあるに違いないことを立証した。
だが、『これはいったい何を表しているのか?』は不明なままであった。
それから、ブラックホールの情報の蓄積について、名高い物理学者によって何十年と探求されることとなる・・・
結論として、
「はっきり識別できる空間領域内」にある情報を蓄積している様々な物体、その量が増量して、一般相対性理論から算出できる閾値を超えると、その領域はブラックホールになる
と導き出された。
つまり、ブラックホールだけでなく、我々が生きてるあらゆる「空間領域」には、情報が蓄積されており、
「あらゆる形のあらゆる物体に蓄積されていて、ある空間領域内に含まれる情報の量は、つねに、その領域を囲む表面の面積より少ない」
という結論に至った。
どんな空間領域内でも、そこで起こる物理現象を記述するのに必要な情報は、その領域を囲む表面上のデータに完全にコード化できる
その表面こそ、基本的物理過程が実際に起こる場所と考えられる。
まるで『ホログラフィーで投影』したかのように・・・
この『ホログラフィック原理』は、数多くの厳しい数学的検証を受け、それを今まで無傷で通り抜けてきたため、自然法則の深い根源を探し求めている物理学者のあいだで主流になりつつある。
観測や実験によって実際に確認されていないため、いまだ実証されていないものの・・・ ひも理論がホログラフィック原理を受け入れているため、万物の理論として注目に値する理論といえよう。
以上!
『隠れていた宇宙 下』(ブライアン・グリーン (著), 大田直子 (翻訳), 竹内薫 (監修))
の第9章 ブラックホールとホログラム
の内容を自分なりにまとめてみました。